05TAKUMI

ペーパータオルの新部署を立ち上げて。成長商品を生み出す充実感が原動力に。

2004年入社
機能材課 課長代理鍋田 悠貴さん

PT課は、2017年に本格稼働。立ち上げから1年ほどは、苦労の連続でした。紙にしわが寄ったり、ロールの摩耗が急に激しくなったり。家庭紙用マシンは、これまで経験した抄紙機の特性とは異なり、なかなか理由がわからない。お客様や次工程を待たせられないというプレッシャーの中、暗中模索の日々が続きました。

問題解決にあたって、ときに現場では、経験則で判断し調整する傾向がありますが、私は化学屋さんなので、現象には必ず原理原則があると信じています。現象を冷静に観察し、“機械の声”に耳を傾けることに徹底し、設備保全担当や操業スタッフに正しく、わかりやすく伝えることを心掛けました。現在、順調に稼働している設備には、「マイマシン」と呼べるほどの愛着を感じていますが、それ以上に大切に思うのは、ともに切磋琢磨してきた仲間たち。新しいマシンで初めて紙を製造できたときの達成感は、忘れられません。

最近は、マシンに付加価値を付けて製造原価を抑えることに挑戦しています。会社の収益に貢献している実感がうれしいですね。今の状態に満足せず、大日製紙にPTあり、と言えるよう成長を続けていきたいです。

ひと筋縄ではいかない、抄紙機からの挑戦を受けて立つ!

2015年入社
抄紙・操業スタッフ森 敦史さん

入社以来ずっと抄紙機に携わり、現在は、抄紙工程全体を管理しています。抄紙機は、かなり特殊かつデリケート。扱う人の技量で品質に差が出ます。パルプの量を検査したり、気温や湿度に応じて紙の水分量を決めたりなど、その時々で判断し、手作業で調整しなければなりません。「求められる品質に合わせるために、何をすればよいか」を常に考えているので、緊張感があります。

当社の抄紙機は古いのですが、いまだに“未知”の部分があって、予想外の反応を示すことがあります。そんなときは正解を見つけるまで、試行錯誤を繰り返します。傍から見れば大変でしょうが、私は挑戦意欲をかき立てられるタイプ。難しい機械を扱う中で新しい発見があったり、解決にたどりつくごとに、目に見えて品質が向上するのがうれしいですね。こんなふうに感じるのは、大日製紙は自らの考えを活かして行動する、失敗したら次に活かせばいい――そういう考え方ができる会社だからだと思っています。

現在、抄紙のメンバーはおよそ30人。個性の強い仲間たちとの仕事は楽しく、刺激的です。みんなの個性を仕事に活かして、結果に結びつけていきたいですね。

ペーパータオルの伸びが元気の源。DIP工程の頼れる守護神に。

2016年入社
DIP操業須田 俊城さん

ペーパータオルの原料となるパルプを、オフィス用紙や雑誌、チラシなどの古紙から作って、抄紙機に送る工程(DIP)を監視しています。難しいのは「白さ」の出し方。白すぎても、黒すぎてもいけません。古紙のインキやごみ、汚れを取り除くなどの洗浄工程を繰り返し、「白さ」の基準値まで到達させます。当社の基準値は厳しく、許容範囲内での白色の微妙な差は、「同業者が見てもわからないのでは?」と思うほどです。

モニタがずらりと並ぶ中央操作室が主な仕事場で、設備や配管に不具合がないか、常に目を光らせています。原料の濃度が変わったり、配管が詰まったりすると、すぐにアラートが発生。監視室を飛び出して現場に向かい、トラブルに対処します。毎日が中央操作室と現場の往復で、これを3交代で行っています。

DIPを担当する前は、その次工程の抄紙を担当していました。DIPは範囲が広く、設備数も多いので、全工程の機械をマスターするのが大変。まだまだ勉強中ですが、ペーパータオルの需要の伸びが、エールになっています。抄紙での経験も活かし、「DIPなら須田に聞け」と言われるようになりたいですね。

最適な答えを導く手法の「引き出し」をどれだけ持っているかが“決め手”

2004年入社
機能材課 係長秋山 功次さん

「紙はいきもの」と言いますが、本当にそうです。とくに当社で扱う特殊板紙と呼ばれる厚紙は、お客様の要求も多様で、その品質スペックを品種ごとに設定しなければなりません。より高品質な紙を抄いていくためには、より細やかな品質管理が必要ですが、特殊板紙は現場で人が調整しています。それがなかなか難しい。機械の状態も一定ではありませんし、原料にもその時々によってクセが出ます。特に古紙を混入する紙は、異物が出たり欠陥があったりすると、すぐ品質に影響が出ます。

たとえば、紙の強度が足りない場合、プレスを強化することで強度を上げるのですが、今度は紙厚が出なかったりする。では薬品を使ってみようと試みると添加場所によって十分な効果が得られなかったり。次の策は濾水度を変えて繊維の長さを変えてみようとか、試行錯誤の連続です。

このようにして、いろいろな手法を貯め込んでいって、たくさんの「引き出し」の中から次に繋げる対策を瞬時に判断して対応しています。それには現場の経験と技術知識が必要ですが、それらから予測して最適解を得られられるように努めています。そこが紙づくりの難しさでもあり、おもしろさでもあります。

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